スマートパチンコ(英:smart pachinko)とは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の適用を受ける第4号営業店(パチンコ店等)に設置される遊技機のことである。
ガラス板で覆った多数の釘が打たれた盤面上に小さな鋼玉を盤面上左下から弾き出し、釘に従って落ちる玉が特定の入賞口に入ると得られる得点あるいは賞球を上皿や下皿、ドル箱にためる従来機(以下「従来機」という)とは異なり、内部でパチンコ玉を循環させることでパチンコ玉に直接触らずに遊技することが可能となった次世代パチンコ機。
遊技球数表示装置を備えており電子的に球を計測するため、遊技者が直接球に触れることなく遊技ができる。さらに出玉情報等を遊技機情報センター(後述)に送信する機能を有している。また従来機のような貸出機は不要となり、専用ユニット(後述)との接続が必要となる。

スマートパチンコ

スマートパチンコのロゴ

概要

スマートパチンコ(スマパチ)とはパチンコと同じ遊技機の種類に属し、一元的なデータ管理のもと直接玉に触れることなく遊技が可能となったパチンコ機。
スマパチはギャンブル等依存症対策強化の一環(出玉情報等を容易に確認できる遊技機の開発・導入)として、2018年2月の規則改正により開発が可能となった。射幸性が過度に高まることを防止し、遊技に興ずる金額・時間・回数の適正化を目的としている。
スマパチにおける要件は以下である。

スマパチの要件
出玉情報等を一元的に確認できる「遊技機情報センター」に接続する
正確に出玉を把握するために、パチンコ機の内部でパチンコ玉を循環させ、パチンコ玉等の数を電磁的に記録する

従来機からの変化

外見

従来機とスマパチの外見上の大きな違いは、主に以下である。

専用ユニット

現金による遊技球貸出や、ICカードを利用した貯玉・再プレイができる。遊技を止める際にはスマパチで獲得した球を専用ユニットにデータ転送し、現金や獲得出玉のデータが記録されたICカードを取り出す。なお、今までは貸出機と遊技機は独立していたが、スマパチと専用ユニットはケーブルで接続されている。

従来の貸出機は主に台の左側に設置されているが、スマパチの専用ユニットは右側に設置されるケースもある。また、物理的な貸出の必要がなくなったため、かなりスリムな見た目の専用ユニットも登場予定。(※既存の台間スペースへの設置などに対応するため、他サイズの専用ユニットも用意されている。)

先行導入されたのスマパチの専用ユニット

先行導入されたのスマパチの専用ユニット[1]

遊技球数表示装置について

遊技球数表示装置に保存されている保持球数が表示される。従来機のパーソナルシステムでの貸出機に表示される出玉数と同じイメージ。計数ボタンを押すと遊技球数表示装置に保存されている球が、専用ユニットにデータ転送される。(※デザインはメーカーや機種によって異なる。)

ハンドル上部分にある遊技球数表示装置

ハンドル上部分にある遊技球数表示装置[1]

「賞球払出装置」「受け皿」「球貸し機能」「島設備」などの削減

循環式遊技機を使用することで、下記部品等の搭載が不要となる。それに伴ってホールではドル箱なども不要となる。(※スマパチコーナーにおいて)

今後不要になるもの
賞球払出装置
受け皿
球貸し機能
「球貸」「返却」ボタン
島設備(補給装置等)
たくさんの遊技球
外部接続端子板

スマパチによるメリット

ユーザーにとってのスマパチメリット例は、主に以下である。

遊技性の向上 球の移し替えが無い遊技の効率化が可能になる。
また内規変更による遊技機の品質向上が見込まれる(※)
不正撲滅 持ち込みや糸付球、クレマン等の不正行為が撲滅され、
安心できる遊技が実現できる。
遊技環境の向上 球循環器など遊技環境・労働環境の改善につながる。
また、獲得玉数を正確に把握できる。
感染症対策 球との接触が無くなるため、感染症に対するリスクを低減できる。
依存症対策 出玉情報等が遊技機情報センターにより管理され、
ギャンブル等依存症の対策となる。

(※)内規変更によりスペック設計の幅が広がり、多様性のある遊技機の開発が可能となる。

また、ホールやパチンコ業界にとっても

  • 遊技機の部品や重量の削減、循環型遊技機等による電力消費の削減につながる「省エネルギー」
  • 球の持ち運びなどが無くなる人的負担の軽減、設備スペースの削減による坪効率の改善などの「コスト削減」

といったメリットが挙げられる。

遊技機情報センター

スマパチでは遊技機の出玉情報等が「遊技機情報センター」に送信される。
スマパチに接続された専用ユニットから管理コンピューター(ホールコンピューターとは別のもの)を介してカード会社センターに送信され、そしてカード会社から出玉情報等が遊技機情報センターに送信される。
遊技機情報センターに送信されたデータは、ギャンブル等依存症対策やゴト行為の撲滅のために使用。なお出玉情報等は管理規定を設けた上で主に日工組により厳重に管理される。

スマパチ情報送信の流れ

スマパチ情報送信の流れ

送信・管理される情報について

スマパチによってデータ収集され、遊技機情報管理センターに送信される情報は、主に機種が特定できる情報、出玉情報、不正やエラー等の情報になり、売上情報や設定情報などは収集されない。また当たり前ではあるが遊技者の情報は収集されない。

スマパチ専用の内規(自主規制)

スマパチは機械的な仕組みが変わるだけではない。それが運用されるにあたっての内規(自主規制)が、従来機から変更されている。

スマートパチンコの遊技性について
確率(内規変更) 1/350
C時短を利用した新仕様 搭載可
コンプリート機能 MY 95,000発

「遊技機情報センターでの情報確認が可能」であることもスマパチ専用内規の大きな特徴として挙げられる。

遊び方

専用ユニットとは従来機でいうところのサンド(球貸出機)になり、スマパチを遊技するにはこの専用ユニットが必須になる。
※以下の装置やボタンの名称、動作や操作方法などはメーカーや機種によって異なる。

遊技開始

①専用ユニットに入金、または②現金や持ち遊技メダルの電子情報を持つICカードを挿入して、③貸出ボタンを押す。
遊技機の④遊技球数表示装置に保持球が転送され、遊技可能になる。ハンドルを回すことで保持球が打ち出される。
得点あるいは賞球などの遊技中に払い出された出玉は、遊技球数表示装置に累積する。MY90,000発を超えると液晶にコンプリート機能作動までの表示がされ、MY95,000発でコンプリート機能が作動する。

離席・遊技終了

遊技を終える時は遊技機の計数ボタンを押して、遊技球数表示装置のカウント数を専用ユニットに転送する。

遊技球数表示装置の保持球がすべて専用ユニットに転送を終えたのを確認し、返却ボタンを押してICカードを排出、遊技を終える。排出されたICカードを忘れずに持参すること。

ダイナムのスマパチ設置店一覧

現存する店舗

括弧内の名称は略称・通称・ブランド名。同一グループに属するホールは主ホールのところにまとめて《》囲みで掲載している。

スマパチ機種一覧

機種名 メーカー 発表年月 詳細
e聖闘士星矢超流星EHTA 三洋物産 未定
eルパン三世ザファーストH4YZ3 平和 未定
e神・天才バカボン~完熟SPEC~ 大一商会 未定

日本のスマパチメーカー一覧

すべて五十音順。

現存するメーカー

括弧内の名称は略称・通称・ブランド名。同一グループに属するメーカーは主メーカーのところにまとめて《》囲みで掲載している。

  • 三洋物産
  • 平和
  • 大一商会

脚注

出典

関連項目

  • デジパチ
  • 羽根モノ
  • 権利物
  • パチスロ
  • パロット (パチスロ)
  • コリントゲーム
  • パチンコ機一覧
  • パチンコ・パチスロ情報誌
  • パチンコ・パチスロ漫画誌
  • パチンコ・パチスロ番組
  • 全日本遊技事業協同組合連合会
  • 保安通信協会
  • メダルチギ
  • 釘調整
  • 11月14日(パチンコの日)

外部リンク

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